大森南エコタウン 個別建て替えによる工場まちの地区モデルの提案 道津空人

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大森南地区を支えてきた町工場の衰退は著しいが,近年では衰退していく工業地域に対してのエコタウン事業など,リサイクル産業を軸としたまちづくりが日本各地で行われている.ここ大森南地区でも既存の町工場の技術を使って,家電リサイクル施設から排出される再資源化物のリサイクルによるまちの活性化が可能だと考えられ,そのためには工場と住宅が共存できるような町の構造に変化する必要がある.地権者の問題や住宅と工場が混在している現状から,所有区分は変更せずに,建て替え時に適用される街区ガイドラインを策定し,既存のコミュニティを残しながら,個別建て替えを行うことによって住工環境や地球環境に配慮した工場まちの地区モデルとして整備する.計画地区の問題から抽出された街区ガイドラインによる個別建て替えによって,街区内での歩車分離や防災上に有効な空地が設けられ,街区内に魅力的なコモンスペースが創り出される.この個別建て替え事業は,この街区単発の整備だけでなく,他の敷地への展開も可能なもので,既存の工場まちの特性と街区ガイドラインによって,衰退していく工場まちである大森南地区に新たなまちなみが広がっていく.

2004年度, 修士設計, M2 | Posted by tkmy at March 1, 2005 11:20 | TrackBack (0)

仙台市卸町地区再生計画 既存倉庫群の配置及び空間特性を活かした集合住宅の提案 落合正行

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近年の流通システムの変化に伴う,卸売業そのものの需要低下などにより,本計画敷地である卸商団地では,建物の老朽化に加え,倉庫の空きスペースの拡大,空き倉庫の増加などの問題を持つ.一方で,2003年の規制緩和,2015年の地下鉄東西線開業による住宅の需要が見込まれる中,10年間という時間を利用して既存資源を活かしたまちづくりが動き始めた.
本計画は,以下の3つのシナリオによって,新たな居住地へと転用を行う.
1.既存倉庫を共有空間「シェアード・スペース(SS)」に転用
2,残余スペースへ住空間を挿入
3.倉庫のもつヴォリュームを活かした集住体を形成
卸町1丁目6番地をモデル街区として,団地内全274の倉庫について配置特性の抽出・データベース化を基に,残余部分に住空間を挿入することで街区を再構成し,既存倉庫の空間特性を活かした住人の共有空間「SS」として転用を図りながら,卸町のモデルとなる集住体を提案している.4つのタイプの「SS」に挿入されたメザニンを介して住戸へアクセスし,既存倉庫はアクティビティを喚起する空間へと再活用される.これらの倉庫群は「SS」としてその後も住人とともに活用され,その価値は変化していくことだろう.
こうした物語の中で出来上がる風景は,従来の計画手法とは全く異なるアプローチから導き出されたものであり,都市のもつコンテクストを深く読み取り,既存のものをうまく活用しつつ新たな考え方を重ね合わせていくという今までにない方向性を示唆することそのものが,次なる卸町の風景に必要であると考えた.

「2004年度 齋藤賞」受賞

2004年度, 修士設計, M2 | Posted by tkmy at February 28, 2005 11:40 | TrackBack (1)

2004年度卒業研究

石田哲也   京都府中京区町屋街区の集合住宅についての研究  pdf
       〜近代住宅を通してホールの意義を分析〜
牛澤千佳   付帯機能から見る図書館建築の変遷  pdf
遠藤可恵   ルイス・バラガンの住宅建築における「庭」の空間構成についての研究  pdf
菊地真紀子  日本建築における素材としての土の史的変遷に関する研究  pdf
小堤公伯   都市型小住宅の開口部の採り方についての研究  pdf
       〜敷地面積100m2未満の独立専用住宅を通して〜
田中優希   商業店舗の外部空間についての研究  pdf
       〜STARBUCKS COFFEEのオープンテラスに見る〜
長倉豊    都市住宅地域におけるルーフスケープの形態に関する研究  pdf
       〜柏市新市街地系地域ガイドラインの分析をとおして〜
中村優一   「米琉住宅」の間取りについての研究  pdf
       〜沖縄県宜野湾市大謝名付近を通して〜
西脇梓    港区における公園から見た都市空間の研究  pdf
春永有梨子  グンナール・アスプルンドの「森の火葬場」についての研究  pdf
       〜ランドスケープデザインの視点から〜
穂苅武    ル・コルビュジェの住宅作品におけるスロープの構成について  pdf
       〜創作思想と動線を取り巻く諸室の形態から〜
山田英徳   アルヴァ・アアルトの空間構成について  pdf
       〜作品プランの分析・比較を通して〜
渡邉結衣   サテライトキャンパスの現況把握と諸室構成についての研究  pdf

2004年度, 卒業論文, 4年 | Posted by tkmy at February 15, 2005 12:32 | TrackBack (0)

NOKI-SHITA 山田英徳

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敷地は,老朽化,空き家が目立つ大田区東蒲田二丁目.過去の下町のコミュニティをわずかながら残す住宅地.そこでは,住民が軒下で会話する光景がよく目についた.軒下会話は,住民にとっての重要な生活の一部である.そして,現在の整然とした住宅地に欠けているものの一つである.長くコミュニティを維持する大切な要素である.その軒下での空間をより街区の内側に挿入してやれば,その街区は更なるコミュニティを生み出すのではないか?
計画するものは,既存の容積・建築面積を確保しつつ階数を増やし,オープンスペースをつくり出す.住居の位置は,区分所有という形式をとりながらもほぼ同じである.
軒下とは,住民にとって情報交換の場であるとともに,外部との接点,つまり,外部交流空間であると捉える.住宅には,その接点になりうる空間はないだろうか? いや,可能性を秘めた空間は数多くある.リビング,テラス,キッチン,縁側,玄関…….一般にこれらは外部に対して閉じられている.それをあえて解放する.そして,外部と交流をしやすくすることで,住宅に付属した軒下空間とする.軒下空間が更なるアクティビティとコミュニティを発生させる.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (1)

渋谷区宇田川町における環境建築の提案 中村優一

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現在,ゴミのポイ捨てや不法投棄,大気汚染など,環境への多くの問題が引き起こされている.これらの問題は,私たち人間の社会活動によって生じている.「今,何が起こっているのか,本来の自然とは何か」等に対する正確な事実認識が,私たちの義務であると考える.その中で建築はどのような存在でなければならないのか.自然をより美しいと伝えていけるものだろうか.しかし,建築,そして人は,自然環境を破壊していく.自然と人と建築は,これからどうやって共生していくことができるのか.それは,建築(プログラム)を通して人に自然へと目を向けさせることで共生していけるのではないだろうか.自然をより美しく,そして自然を大切にしていく建築を創出していく.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

Artist's Roof 都市臨海部における土地利用再考計画 長倉豊

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産業構造の変化や水域の住環境資源としての価値の認識の高まりに伴い,近年,都市臨海部では海辺に住宅や商業施設,緑地などがもうけられるようになり,その土地利用構造が著しく変化している.都市の臨海部の中でも横浜は歴史ある港町で,港とともに発展してきた横浜にとって,横浜港はその経済基盤として重要な役割を果たしている.横浜の「港」は産業構造の変化等により沖合では活発な港湾活動が行われているものの,街中からは港湾の機能が見えない,港の風景のない港町になってしまった.そこで「港」の既存倉庫を活かし,そこに新たな機能を加えることで,現代における横浜港の姿を再構築する.現在敷地の北側は整備が行われておらず,土地が手つかずの状態になっている.さらに敷地中央に開港の道,山下臨港線プロムナードが挿入していることで敷地が分断され,一方は利用され,一方は利用されていないという状況になっている.敷地の南側には輸出入の貨物を保管する倉庫が2棟あり,そのうちの1棟は今でも倉庫として機能している.しかし,産業構造の変化により臨海部の倉庫業が衰退化したことで,残りの1棟は海外からの輸入雑貨を販売する店舗として利用されている.敷地の現状と問題点から,敷地全体に緑地等の整備を行い広場を設ける.さらに現在,横浜の臨海部が急速に整備されたことにより,臨海部に横浜市民のみならず多くの人が訪れるようになった.そこで臨海部にアート施設を設けることで,横浜のアート活動を横浜市民及び横浜に訪れる人々に理解・認識を深める.アート活動に必要な機能(アトリエ,ギャラリー)を広場というバックグラウンドに配置し,敷地内の現在もまだ機能している倉庫の一部を借りて,作品の一時保管として利用する.もう一棟の倉庫はすでに倉庫としての機能はなく店舗として使われているので,改修を行い常設展示スペースとする.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

Yokohama Art Bridge 横浜駅東口-ポートサイド地区間プロムナード計画 穂苅武

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横浜で現在行われている臨海部再整備事業は,山下公園から始まりみなとみらい21地区へと順に計画が進められ,多くの人でにぎわっている.横浜駅周辺においてもこの事業のもとに計画が進められており,駅から連続している地下街ポルタや横浜そごう周辺などがそれにあたる.
一方,現在では工場や倉庫,店舗などの混在地区であった,横浜駅東口エリアにあるポートサイド地区も再整備が進められており,横浜市全体として「デザイン都市宣言」を掲げる中での中核となる「アート&デザインの街」の創造に力が注がれている.
しかし,ポートサイド地区は横浜駅,そごうにより隔てられた立地と,結果として集合住宅群を乱立するにとどまる現状にあり,他の地区からの人々とのコミュニティーを生む入れ物が存在していない.
そのことから本計画では,アート拠点,公園,店舗をプロムナードに含めることで,横浜駅から連続する地下街からそごうにおける人の流れをポートサイド地区まで引き込み,互いのエリアにアクセスする中で流動的に情報を得ることが出来るフィルター的建築を計画する.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

東町商栄会再計画プロジェクト SHOPPING DISTRICT + CAMPUS 渡邉結衣

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神奈川県の中央を流れる相模川沿いに位置する厚木市東町は,かつて対岸を結ぶ船渡しの船着場があり,宿場町(厚木宿)として栄えていた.しかし,大橋の完成や小田急線の開通などといった理由からまちの中心は駅前に移り,東町は取り残されてしまった.そこで今回,空き店舗となっている商店や駐車場に新たに厚木市内にある8つの大学・短期大学の各大学の学生がお互いに発信・発表のできる場所,各大学の自宅外通学者の寮,更にはサテライトキャンパスをコンプレックスし,東町全体を活性化させることを目的とした計画を提案する.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

Children's scape 春永有梨子

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近年動物園は来園者数が減ってゆき,動物園経営がうまく行かず潰れる動物園が出てきた.この現状は動物園が教育の場という認識よりもテーマパークやレジャー施設のようなリレクリエーション機能を人々が求めていることにあるのだ.テーマパークやレジャーランドは新しいアトラクションを増やすことで入園者数の確保している.しかし動物園は同じようにはいかない.動物園がこのままテーマパークと同じ目的で経営されていけば動物園の生き残りは厳しくなる一方である.  
つまり,動物園は本来の目的である教育の場として機能すべき場所なのだ.そこで,現在教育の場として機能していない動物園の再生を行う.現在一般的な動物の展示方法は動物に関する情報が少ない.見学の際興味を持てばすぐ動物に関する情報が学習できるような映像や図書機能があればより学習ができるのではないか.   
現在上野動物園は他の動物園に例外なく入場者数が減少している傾向がある.そのため,東園にあるライオン,ゴリラ,ゾウの展示ゾーンは平成15年に改築し,新しい展示方法がされ動物園の活性化が期待されている.新しい展示方法はハビタート展示や行動展示で,今までの上野動物園の展示方法にはなかったもので,見学しながら動物の生態系を学べるように配慮されている.
そこで動物園活性化の一貫として現在西園にある主にこどもと動物のふれあいの場として利用されている場所を利用して新しい学習空間として子供のためのミュージアムを提案する.現在の東園と西園はモノレールや橋で繋がっているものの,実際は東園だけで帰ってしまう来園者も多数いる.こども動物園は西園入り口すぐの場所に位置し,この場が活性化すれば,東園と西園への繋がりにも大きな役目を果たすと考えている.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

こうえんほいく 牛澤千佳

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かつて東京ディズニーランドへのターミナル駅であった東西線浦安駅は,今その賑わいを失いバスターミナルのあった駅北側は広大な駐車スペースとして利用されている.本計画は市保有のこの土地で,利益を追求しない駅前広場(地域コミュニティの場)の計画を目的とする.敷地の大部分を公園(駅北側住宅地へのショートカット通路)とし,その他に保育園・子育て支援センター・キッチンスタジオ・カフェ・駐輪場・駐車場を配置した.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 12:00 | TrackBack (0)

井戸仲間を単位とした木造密集市街地の更新計画 小堤公伯

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地域のCommunityを再生しようとする場合,その成立の仕組みを再生する必要がある.本計画は井戸仲間という共同組織に着目し,その再生を考察する.また,SoftwareができてもHardwareとしての「場」が伴わなければ有効に機能しない.Communityを支える場として井戸周りの空間を創出し,完全に公に開かれた空間とは異なった空間として限られた住人のCommunicationのための共同空間として地区全体を横断するCommunity Gardenを創出する.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 0:00 | TrackBack (0)

おとなのフィールド 桜田公園再生計画 西脇梓

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周りを商業にひと皮囲まれた公共空間.
敷地は新橋駅烏森口にほど近い,廃校になった桜田小学校と桜田公園である.かつての校庭は駅へのショートカットとしてたくさんの人が通る.雑多なビルの中に,ぽっかりとできた都市の空地.
人々が語らい,佇む場.

2004年度, 卒業設計, 4年 | Posted by tkmy at October 30, 2004 0:00 | TrackBack (0)

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